飲食店アレルギー情報まとめページはこちら

「バブちゃんじゃない」3歳児のお漏らしと葛藤

「ゔゔあああああぁぁぁんっ!!!」

普段とは違う、嗚咽のような凄まじい声に、とっさに1歳のころアイロンで火傷した記憶が脳裏をよぎった。ひやっとした。半分頭まっしろで急いで隣の部屋へ行くと、そこには壁に頭を突っ伏してうなだれる息子がいた。

「どうしたの!? いたいの!?」

と聞いても返事はなかったが、足元を見てすぐに理解できた。

おもらしをしたのだ。

息子は長いトレパン期間を経て最近ようやく「おしっことうんち」が言えるようになった。 保育園でもおむつ用バケツを撤去され「はぁーちゃんのバケツないよ!」とママに自慢げに話したのはつい一週間前のこと。

それなのに、それなのに……

悔しい思いが彼の全身から感じられた。

「大丈夫だよ! たまにはそんなこともあるよ~。OK! OK!」という励ましもむなしく。

とうとう彼の内なる声がでた――

「バブちゃんじゃない」


3歳になってからは、この”自分は赤ちゃんじゃない、お兄ちゃんである”という思いが彼のアイデンティティであった。しかし、お漏らしといっしょに音を立てて流れ去ったのである。そのショックが彼に嗚咽をはかせたのだ。

いやぁ、つらいだろうなー。つらいだろうけどはたから見てると面白い。可愛すぎる。しかたない、気が収まるまでしばらくつきあってあげよう。

と、思っていた矢先。彼は急に泣き止み、むくっと顔をあげ先ほどまでとは違う意志を持った眼差しで言った。

「うんち……、うんちー!」

僕はうんちが出る前に「うんち」と言えるのだ、そんな一筋の希望が彼の目には映っていた。

ややびしょ濡れのズボンのまま小走りでトイレまでかけていく。床がどんどん汚れてますけど、と思いつつ私もついていく。

そしてトイレに着くや否やズボンとパンツを下ろし、便座に座らせろと抱っこのポーズ。座らせてあげるといつもどおりことを済ませ、おしりを拭いているころには機嫌をなおしていた。

こうして彼は失いかけたアイデンティティを取り戻し、メンツをまもった。私はびしょびしょのズボンと床を掃除するはめになったが、十分笑わせてもらったので良しとすることにした。

子育てはたのしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA